GOTCHAROCKA
2016.11.08

「僕らはヴィジュアルシーンの中で堂々とポップスを歌いたい。それが、僕らなりのこのシーンで生きてくうえでの反骨精神なんですよ」。
GOTCHAROCKAの最新シングル『Ash』は、まさにヴィジュアル系流ポップス集!!
11月9日(水)、GOTCHAROCKAは新しいシングル『Ash』をリリースする。この作品を手に、11月17日より全国ツアー「GOTCHAROCKA WINTER ONEMAN TOUR 2016"Black pop parade"」もスタート。彼らがこの作品にどんな想いを詰め込んだのか、さっそく紐解こうか。

ステージ上ではお互い本気でぶつかりあう
――D監修によるWEB MAGAZINE「Mad Tea Party MAGAZINE web」がスタートしました。GOTCHAROCKAとDとは深い繋がりを持った関係ですよね。
樹威:同じGOD CHILD RECORDS所属ですからね。10月こそDと一緒に2マンスタイルで全国ツアーを行いましたが、それまではライヴで共演することは年に2~3回あるか程度でした。ただ、スタジオ作業で顔を合わせたり業務関係で連絡も取り合うようにとても近しい関係です。
10月に行った「D×GOTCHAROCKA Brother ship」サーキットを通して感じたのが、ステージ上ではお互い本気でぶつかりあうんですけど、楽屋で過ごしているときは、他の対バンライヴとは違うとても親しみやすい空気がそこにはあることなんです。
十夜:「D×GOTCHAROCKA Brother ship」サーキットを通して今まで以上に深くDのメンバーさんらと接したことで、改めていろんな面で心配りしてもらえてるなと感じましたからね。実際、事あるごとにGOTCHAROCKAのことを気にかけては相談に乗ってくれたり。「すごくいい兄貴分たちだなぁ」と、長く一緒に過ごす時間を共有しながら改めて感じてました。
JUN:Dと言えば薔薇!!。同じ事務所ということでの仲間意識が強いのはもちろん、とにかくみなさん優しいんです。
僕ら、Dのメンバーさんらとは楽屋で触れ合う時間のほうが圧倒的に多いわけじゃないですか。そのときって、飾らない素顔の一人の男としてみんな接してくるわけですけど。僕ら後輩に対しても対等な立場で触れ合えば、その場で心地好く過ごせる環境をいつも作ってくれる。みんな優しいんですけど、でも、心に薔薇を秘めているところは流石だなと思います。
――時にはヴァンパイアな面も見せたり??
JUN:ヴァンパイアな面もあったり、アリスになったり。Dさんって、すごい世界観を作り上げてくバンドじゃないですか。場面ごとに明確な世界観を描き出してゆく様は観ていて素直に惹かれます。

『Ash』のように、心を強く動かす力を持った楽曲こそ大事なこと
――GOTCHAROCKAは11月9日(水)に最新シングル『Ash』をリリースします。まずは、どういう狙いを持って楽曲を作ったのか教えてください。
JUN:GOTCHAROCKAの表現スタイルの一つとしてある"ポップロックな音楽性"を軸に据えた、スピード感を持ったメロディアスな楽曲を作りたいなと思ったのがきっかけでした。樹威さんは影を背負った想いを歌詞に載せてくるだろうなと想像していたことから、開けた曲調の中へ切なさも潜んだ楽曲になればいいなぁと思いながら作り始めました。
――『Ash』の歌詞には影を背負った面も感じますが、全体的に開放感あふれるポップナンバーという印象を強く与えてくれます。
JUN:それを描き出せることがGOTCHAROCKAの強みだなと思います。
樹威:『Ash』に関しては、JUNが楽曲を作る前から僕は書きたい内容を決めていたんですよ。それが「内面の葛藤」ということ。歌詞には前向きでない言葉も記したけど、この歌に触れることで前向きな想いになれる。そういう「前向きな葛藤」をここには描きたかったんです。
――樹威さんの場合ネガティブな表現を用いつつ、前向きな葛藤を歌詞に投影していくことが多くないですか??
樹威:それは、自分が日々を生きてくうえで常日頃から心に抱えている想いだからなんでしょうね。ただし、若い頃に覚えていた葛藤と経験を重ねた今になって感じる葛藤は、同じ葛藤でも内容は異なること。若い頃は「どうして自由になれないんだ!?」という葛藤が多かったけど、大人になり、ある程度の自由を得てきた中で感じているのが「代わり映えしない毎日への葛藤」なんです。
――「代わり映えしない毎日への葛藤」ですか。
樹威:そう。毎日同じ内容を繰り返してゆくことへの不安や、何時も同じ悩みを抱えてしまうことへのいらだちとか。若い頃は、目の前にあることへの葛藤が中心だったけど。今は、もっと長い目で人生を見据えたうえでの葛藤が強くなっているなと日々感じている。でそれって、ズッと抱え続けていくものなんでしょうね。
十夜:そういう葛藤さえもポップな楽曲として昇華していけるのがGOTCHAROCKAらしさ。僕は『Ash』をすごくドラマチックで胸をガッとつかむ楽曲として捉えてる。まして『Ash』は、今回のシングルの表題歌。「心を強く動かす力を持った楽曲こそ大事」なように、すごくいい表情を持った楽曲を頭に持ってこれたなと僕は思ってる。あとは、この歌を聴いた人たちがどんな反応を示してくれるのか!?ただ「恰好いい」ただ「いい歌だね」で終わらない棘を持った楽曲をGOTCHAROCKAは何時も作り出している。そこが、このバンドにとっての大事なところなんですよね。

GOTCHAROCKAはポップスというど真ん中でストレートなスタイルを投げ続け、その球で次々と三振を奪い取ってやる
――『Ash』はとてもポップでキャッチーな楽曲なのに、何処か影を持った言葉にひっかかりを覚えます。
樹威:GOTCHAROCKAの楽曲に対して「ポップス」という表現をよくいただくように、ある程度大衆性を持っている歌たちだからこそ言われる言葉だと僕らは受け止めているんですけど。むしろ僕は、「なんでみんなそういう音楽性を表現しないんだろう!?」と疑問に思ってしまう。今のヴィジュアル系の場合、激しい音楽に乗せてシャウトすればサビではメロディアスになるのが恰好いいみたいな定義もあるけど、僕はときどき「みんな本当にそのスタイルを恰好いいと思ってやっているのかな??」と思うことがある。もちろん、そのスタイルで恰好いいバンドもあるように、けっして否定しているわけではない。それよりも、ポップなスタイルを軽く見ていく姿勢のほうに僕らは疑問を抱いてしまう。ポップスを表現していくって、じつは一番難しいスタイルなのにね。
JUN:ホンマ、そうやと思います。明るいコードにメロディを載っければポップスになると思ってる人らって実際にいるんですよ。だけど、ポップスはもっと奥深いものであり、先に上げた定義で安易に出来るものではけっしてないんですね。もちろん、ポップスを表現していくうえでもいろんな手法や方法論があるのはわかります。樹威さんの歌詞で言えば、明るい曲調に明るい歌詞を載せるのではなく痛みや切ない想いを載せていくのも、ポップスの持つ表現スタイルの一つ。
GOTCHAROCKAに関しては、僕が持ってきた楽曲が青だとするなら、そこへ樹威さんが黄色い歌詞を載せることで、緑色の楽曲に仕上げていく。さらにそこへ、十夜の赤を混ぜ合わせて深みを与えてゆく。そうやって作り上げるポップスがGOTCHAROCKAには一番似合うスタイルになっているなと自分らは感じていることなんで。
樹威:ヴィジュアル系ってもっと自由な場のはずなのに、みんなが同じ方向を向いて表現していくのは、僕らからしたら恰好悪いこと。むしろ、ヴィジュアル系の中で大衆性を持ったポップスを表現していくことのほうが、このシーンの中ではよっぽどコアなアプローチなんだと思う。 今のヴィジュアル系の主流が激しい音楽の上でシャウトしながらもサビでは歌ものになる姿勢だとするなら、僕らはヴィジュアルシーンの中で堂々とポップスを歌いたい。それが、僕らなりのこのシーンで生きてくうえでの反骨精神なんですよ。GOTCHAROCKAは音楽で言うど真ん中でストレートなポップスを投げ続け、その球(スタイル)で次々と三振を奪い取ってやる意識で活動をしているんで。
――その姿勢は、結成当初からずっとあったことですよね。
樹威:3人ともそう、昔から「人と被る表現はやりたくない」人たち。たとえそれを異端な表現と思われようと、「それって恰好悪い」「そんな音楽には興味ない」と言われようが、自分らは何も気にしないどころか、自分らが「楽しい」と信じた表現を思いきり演り続けるだけなんで。
十夜:ポップスを作れる人たちってとても素敵だなと僕自身も思いますからね。

『…ムリでした』の歌詞に女性が共感されると、僕の心を全部見透かされている感じがしてすごく怖いです(笑)
――2曲目には『…ムリでした』を収録。別れたいのに別れられない。それくらい好きな気持ちを爆発させた女性の切ない恋心を、かなり赤裸々に歌詞へ綴っていません??
樹威:けっこう泥っとした物語になっています。最初は男目線で書いていたんですけど、描写した感情に女々しさや弱々しさが色濃く出てしまい、言葉に重みや説得力が出ないなと感じました。それを女性目線に変えたとたん、その言葉が逆に説得力を増すと言いますか、すんなりと胸に落ちてきた。しかも、女性目線で歌うことで自分の歌声にも艶が加わってゆく。結果、僕が感じる「女性の女々しさ」をここには描き出すことが出来ました。
――樹威さんが女性目線で書く歌詞に登場する主人公は、何時も男性に振りまわされていますよね。
樹威:そうっすね(笑)。いや、女性の中にある一番切ない感情を表現しようとすると、自然とそういう想いを書いてしまうんですよ。
JUN:『…ムリでした』は作曲も樹威さんが手がけたんですけど、最初に歌詞の載ってない状態でデモ音源を聴いたときには「凄く爽やかな楽曲だな」という印象が強かった。同時に、綺麗な表情の中へちょっとした痛みが潜んでいるのも感じたこと。僕はこの楽曲のポイントを「爽やかな曲調に隠された痛み」だと捉え、そこを生かしたアレンジにして樹威さんに返したんですけど。上がってきた歌詞は、思いきり痛みだけでした(笑)。
十夜:僕も、歌詞を載せる前の楽曲に柔らかなイメージを抱いてたんですけど、そこへ樹威さんの歌詞が載ったとたん、すごく嬉しい意外性を覚えました。たとえ歌詞は痛々しい想いでも、アレンジした表情や歌のメロディに心地好い柔らかさを覚えてゆく。だから『…ムリでした』も、とても良質なポップスとして胸に響いていくんだなと感じましたからね。
樹威:歌詞は、僕なりに想いをストレートに書いたつもりなんですけど。何処か螺子曲がってるんですかね??
――いや、本気で相手のことを好きになったときの気持ちってこういうものだと思います。きっと女性のほうが、この歌に強く共感を覚えるんじゃないですか??
樹威:もちろん、共感して欲しいと思って書いていますけど。『…ムリでした』の歌詞に女性が共感した場合、男性としては「怖い」と思う気持ちがまったく無いわけでもない。女性に共感されると、僕の心を全部見透かされている感じもしてむしろ恐怖です(笑)。
 
この歌詞に対して深く考え込まれると僕は性格の悪い人になってしまう。こういうことを思ってる人もいるんじゃない!?くらいの感覚で楽しんでもらえたら…
――「通常盤」の3曲目に収録する『SHE LUVS"POP STAR"』の歌詞には、相手(恋人??ファン??)に対しての建前と本音の想いを、こちらもあからさまに毒づきながら記しています。
樹威:『SHE LUVS"POP STAR"』はジョーク混じりに書いた内容。歌詞にも書いたんですけど、僕はスムージーとかパリピという言葉を聴くと何故かイラッとするんですよ。
何時だったかな!?。ある対バンイベントに出たときに、対バン相手の誰かが「今日の俺はパリピでどうたら」という話をしてて。準備中にその会話が聞こえてきたんで、たまたま耳にしていたんですけど。何故かパリピという言葉にイラッとし続ければ、初めて耳にする言葉だったから気になって調べたらパーティピープルだと。これって、いわゆる流行り言葉じゃないですか。僕はその言葉に違和感というか嫌悪感を覚えてしまうことから、それを元に『SHE LUVS"POP STAR"』という物語を書きました。自分としては毒づいてるつもはなく、歌詞を読んだときに「面白いなぁ」と感じれたらそれでいいなと思って書いています。
JUN:『SHE LUVS"POP STAR"』はライヴ曲だからね。ライヴで生きる表情があったうえで、樹威さんの書いた歌詞によってさらに面白みが増した。それでいいんだと思います。
樹威:むしろ、この歌詞に対して深く考え込まれると、僕は性格の悪い人になってしまうんで(笑)。こういうことを思ってる人もいるんじゃない!?くらいの感覚で楽しんでもらえたらなと思っているのと、パリピという言葉を使うのだけは勘弁して欲しいという気持ちです。
十夜:『SHE LUVS"POP STAR"』のギターが恰好いいんですよ。ライヴ曲でもあるように、ライヴでどんな風にギターで表現していけるのかが楽しみです。

一昨年に「V系戦士ジューンライト伝説~」と題してバースデーライヴを演ったように、今回は、あのときの内容をバージョンアップさせた復刻版になります
――最新シングル『Ash』を手に、11月17日より全国ツアー「GOTCHAROCKA WINTER ONEMAN TOUR 2016"Black pop parade"」もスタートします。「-JUN BIRTHDAY LIVE"新・V系戦士ジューンライト伝説~ごめんね、素顔じゃなくて~-」と記したよう、初日はJUNさんのバースデーライヴになります。
JUN:まさに、この日がちょうど僕の誕生日なんですけど。一昨年に「~ジューンライト伝説~」と題してバースデーライヴを演ったように、今回は、あのときの内容をバージョンアップさせた復刻版になります。前回以上に面白いことを考え中なので、そこは楽しみにしていて欲しいなと思います。何よりバースデーライヴだから、ツアーの初日というよりは番外編として受け止めてもらいながら、みんなで楽しめるお祭りにしていきたい。その日を踏まえたうえで、2日目からは今回のツアーが本格的にスタートします。今回も、ワンマンじゃないと出来ないことを詰め込みながら表現していくので楽しみにしていてください。
――ツアーのファイナル会場として、12月17日に今年も赤坂BLITZ公演を用意しました。
JUN:バンドとしては、昨年の赤坂BLITZ公演を演ったときに「もっとやれることがあったな」という課題を感じていたように、今回は、そのときのリベンジも含めた公演として赤坂BLITZをやっつけてやりたいなと思ってる。
樹威:赤坂BLITZ公演も楽しみなんですけど。昨年はツアーという形を取っていなかったぶん、今年はしっかりツアーとして各地をまわれるように、それも楽しみにしています。
JUN:そして来年、GOTCHAROCKAは結成5周年を迎える年になりますのでガンガン活動を盛り上げていこうと思ってます。
十夜:なので、来年のGOTCHAROCKAにも期待してて欲しい。その前に、今回のシングル『Ash』と全国ワンマンツアーを盛り上げてですけどね。

――最後に今年末、12月31日に行われる【D主催 “Mad Tea Party” カウントダウン ワンマン フェスティバル in サンリオピューロランド】に参加されるようで、なんと大トリを務められるそうですね?意気込みを聞かせてください。
十夜:2016年締めくくりのカウントダウンライブをGOTCHAROCKAが大トリで出演させていただく事になりました。思いっきりやらせていただきますので、2017年に向けて最高な大晦日を一緒に過ごしましょう!
JUN:9月にサンリオピューロランドでライヴやらせていただいたのですが、あそこでしかない特別なエンターテイメントがやれてすごく楽しかったです。大トリをつとめさせていただくので気合入れて全力でGOTCHAROCKAします。ライヴの締めくくりと新しい年の始まりをみんなで迎えたいなと思っています。一緒に楽しい時間にしましょう!
樹威:2017年もGOTCHAROCKAは何かしでかしてやるぞって意気込みを知ってもらえるライヴにしたいですね。そしてなかなか深い時間にライヴをやる事もこういった機会でしか出来ないので新鮮な気持ちで臨めたらと。あと…こないだのピューロランドでのライヴでマイメロちゃんに恋心を抱きましたのでまた会えるの楽しみにしております。笑

取材・文/長澤智典


2016.11.09 Release    
“Ash” 限定盤(CD+DVD)
GOD CHILD RECORDS/GCR-131/1,800 (税抜) 3songsCD+1songDVD+Off Shot Movie/Special Limited Edition
[CD]
1.Ash/2.…ムリでした/3.Ash (Jui-cloudy heart-ver.)
[DVD]
1.Ash/2.Ash (Music Video Making)
“Ash” 通常盤 (CD)
GOD CHILD RECORDS/GCR-132/1,200 (税抜)/3songsCD
[CD]
1.Ash/2. .…ムリでした/3. SHE LUVS “POP STAR”

GOTCHAROCKA WINTER ONEMAN TOUR 2016
“Black pop parade”


11.17(木) 新宿 ReNY
 JUN BIRTHDAY LIVE
 “新・V系戦士ジューンライト伝説~ごめんね、素顔じゃなくて~
11.22(火) 大阪 MUSE
11.25(金) 桜坂セントラル
12.2(金) 仙台MACANA
12.4(日) 新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
12.9(金) 福岡 DRUM SON
12.11(日) 神戸 VARIT.
12.13(火) 名古屋 SPADE BOX
12.17(土) 赤坂BLITZ

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GOTCHAROCKA official website


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