2017.6.29 JAKIGAN MEISTER (咲人) FIRST LIVE @ Zepp Diver City Tokyo
2016.07.13

ナイトメアの咲人のソロプロジェクト・JAKIGAN MEISTER、初ステージの模様をがっつり目撃!!
2016年11月23日に活動を休止したナイトメア。ギタリストの咲人が、ついにJAKIGAN MEISTER(ジャキガン マイスター)と題したソロプロジェクトを始動。1stアルバム『Ejaculation』の発売に続き、6月29日にZepp Diver City Tokyoを舞台に「JAKIGAN MEISTER FIRST LIVE」を行い、その全貌を露にした。この日の咲人をサポートしたのは、Ni~ya (ナイトメア=Ba)/Tooru Yoshida (Key)/HIRO (Rice=Dr) の3人。

重厚なSEとシンクロするように流れた演奏。その音色は、次第にインストナンバー『Enter the JAKIGAN』へ形を変えてゆく。胎動と呼ぶに相応しい何かが始まる予感、重く濃密に轟く演奏が、その期待を満員の観客たちへ突きつけた。
荒々しいギターの音色が響くと同時に、刺激的な音は『Don't Suck It Up』へ。重い衝撃を携え走り出した演奏。咲人は、黒く唸る音の上で、想いを語るように歌を紡いでいた。そこに描き出されたのは、とても重厚な…まるで異文化を匂わせる絵画のような世界。現世を忘れ、こっちの世界へ飛び込んでこいと言わんばかりに、邪気めいた民族ロックが触れた人たちの感覚を酩酊させる。その音と歌声に身を委ね、ゆっくり酔えばいい。その音へ触れ続ける中、次第にトリップしてゆく意識を覚えていた。まるで催眠にかかったように…陶酔し心地好さを感じているように……。
四つ打ちのビートとデジタルな音色が重なりスプラッシュ。その上にのしかかったのが、ラウドに攻めた演奏。JAKIGAN MEISTERは『わるぁふぁ』を武器に観客たちへ牙を剥き襲いかかった。歯牙を剥き出しに荒ぶりながら、場内にいる獲物たちを喰らい尽くす勢いで、彼らは重厚な音の刃を持って噛みついてきた。なんてアグレッシブな姿だ。身体の奥底から魂が震える。そんな感覚だ。


「今日はこんなにも大勢の人たちが集まってくださって感謝感謝です。3月に開いた咲人会で2曲だけ演奏したけど、今日観るのが初めてな人が殆どですよね。僕らも今日が初ステージだから、スタート地点は一緒です。みんなで今日新しい何か…」(咲人)、「伝説を作ろう」(Ni~ya)、「伝説になればいいな(笑)。今日は、俺の誕生日。みんなが楽しんで帰ってくれることが、俺にとって何よりも一番の誕生日プレゼントなので」(咲人)

ゆったりとうねるミッドグルーヴナンバーが、会場中へ浸食し始めた。オリエンタルでエスノな香りを漂わせながら、『嗜好品』がねっとり妖しい音色と演奏で会場中の人たちを呑み込んでゆく。なんてマジェスティックでサイコティックな楽曲だ。その演奏に触れているだけで、身体が媚薬に侵されてゆく気分。まさに、心地好くトリップしてイク感覚だ。中盤には、観客たちはもちろん、メンバーらともコール&レスポンスする様も登場。何度も繰り返される歌のやり取り。観客たちと熱を共有してゆくライヴだからこその感覚を、咲人は強く強く求めていた。

ゆっくりと響く四つ打ちのリズム。そこへ切っ先鋭いギターのカッティングビートが重なるや、次第に楽曲は妖艶さを塗り重ねてゆく。意識を飛ばすように『なりたかったくなかった』が流れだした。弾むような心地好さも抱きながら、その歌と演奏は大きなグルーヴを描き出していた。そのうねりの中へ飲み込まれるほどに、熱狂の中へ心地好く墜ちてゆく意識を覚えていた。JAKIGAN MEISTERのライヴは絵画だ。いろんな迷宮を描いた絵の中へ飛び込み、その世界の中で不思議な体験を重ねてゆく。その感覚を味わうことで、何時しかJAKIGAN MEISTERの描く世界へ心や身体が心地好く溺れていく。なんて最高のトリップ音楽だ。


まるで悲しい物語の結末を描くように、哀愁味を帯びた旋律が場内へ響きだした。一転、攻撃的な咲人のギターが暴れ狂いだすと同時に、演奏は熱した高揚を描く『ヰタ・セクスアリス』へ。ねっとり絡みつく咲人の歌声が、触れた人たちを妖しい世界へ導いてゆく。なんて、心を震わせる切なくも高揚したサビ歌だ。妖しく激しくサディスティックな楽曲にも関わらず、その歌メロは、触れた人たちを麗しく酔わせていく。その歌に触れている間、刹那な高揚に心が溺れていた。その麗しい歌声に、今は素直に騙されていたい…。

場面は一変、ふたたび舞台は古な世界へ。野太いギターの音が導いたのは、よりディープな闇の舞台。『a Relic』が、次の世界への扉をゆっくりと開きだした。次第に重厚さと激しさを重ねてゆく演奏。黒光りする音の塊が、触れた人たちの意識を、とぐろを巻くへびのようにガッと巻きついて離さなかった。ギュッと巻き込んだ痛みで意識を混濁させながら、JAKIGAN MEISTERは満員の観客たちを妖しい世界へ落とすように導いていった。なんてトライヴァルな音世界だ。

大地を揺さぶる如く重厚な音が轟きだした。重々しい音の唸りの上で咲人は雄々しく『Mercy Killing』を歌いだした。勇壮な歌声だ。でもその中からは、心を魅了するメロウな旋律も響いていた。とても攻撃的な姿勢なのに、気持ちは嬉しいくらいに喜びを覚えていた。重く荒れ狂う音の躍動と歓喜の歌が心を騒がせる。大地を揺さぶる雄々しき魂の咆哮というべき楽曲が、スペクタクルな物語の渦中へ今、身を置いていることを教えてくれた。


「お前ら暴れ足りないよな、暴れていけるか!!」。重い音を轟かせるセッション演奏からの幕開け。HIROのドラムが一気に駆けだすと同時に、演奏は『名状し難いほど有り余る邪気』へ。荒々しく疾走する演奏の上で、がなるように歌う咲人。野生の咆哮にも似たロックンロールナンバーの登場だ。触れた人たちの魂を野獣に変えてゆく。余計な理性など取り除き、ただただ頭を振って暴れろと彼らはけしかけてゆく。その演奏に少しでも呼応したいなら、騒げばいい。己の気持ちが導くままに身体を揺らし、雄叫びを上げればいい。ここは自由な空間だ。己を開放し騒ぎ狂う。それが最良の楽しむためのルールだ!!

サイケデリックな音色が、またも会場中の人たちを異世界へ連れ出した。トライヴァルなデジタル演奏とオートチューンを駆使したヴォーカルが、その合図だった。剥き出した激烈でラウドな演奏が重なると同時に、『Whatever I May Be』が観客たちを心地好く闇の世界へ導き出した。奈落の世界で踊り狂うことが快楽や恍惚と言わんばかりに、観客たちを闇のカルナヴァルへ彼らは引き込んでゆく。なんてサイコプログレスな演奏だ。楽器陣の繰り広げる音のバトルに意識は魅了されっぱなしだった。

ヒステリカルな音色を上げ、演奏は一気に荒れ狂いだした。もっともっと騒ぎたいんだろ、とけしかけるように『ワールズエンド』が観客たちの感情を痛く刺激してゆく。とても口ずさみやすい歌。でも、その親しみやすさとは裏腹に、演奏は猛り狂っていた。もっともっと身体中から邪気を放ち暴れ狂えよと、突き刺す音を武器に満員の観客たちをけしかけていた。これはバッドドリームか!? こんな薄汚れた夢ほど最高に魅了される劇薬はない。


「ナイトメアが活動を休止して、これから一人で何をやっていくかいろいろと考えながら孤独を感じる日々を過ごしてきたんですけど。でも、こうやってライヴが始まってみると、けっして一人じゃないというか、みんなに支えられて自分は音楽を作ってこれてるんだなというのをすごく感じました。本当に感謝しています」

最後はアコギ1本の弾き語りで『薩婆訶-そわか-』を演奏。アコギのボディを叩き、弦を掻き鳴らし、旋律を響かせてと、一つ一つの音をその場で録音し、その音の上へ次々と録音した音を重ねアンサンブルを描きながら、咲人はその場で一つの楽曲の土台を作りあげてゆく。その完成した音の上で、彼は魂を浄化するように『薩婆訶-そわか-』を歌いあげた。なんて美しくも切なく、哀切さを覚える歌だ。誰もがその一挙手一投足から目を離せずにいた。己の感情を解き放つ歌声と演奏に、ただただ熱い視線を送り続けていた。

アンコールで演奏したのが、ナイトメアナンバーの数々。咲人が「『KENKA DRIVE』」と叫んだとたん、場内にHAPPY BIRTHDAYの旋律が響きだした。この日が誕生日の咲人のためにサプライズな演出が登場。バースデーケーキを持って舞台に現れたのが、ナイトメアの柩。彼の登場に、観客たちも大興奮。しかも柩は、『KENKA DRIVE』の演奏へシャウトでゲスト参加。まさかの楽曲の登場や、嬉しいサプライズに、演奏中は終始フロアー内へ熱い拳が突き上がっていた。
「お前ら、もっと暴れたいよな」。そのまま演奏は『極上脳振煉獄・弐式』へ。思いきりヘドバンしながら暴れる観客たち。轟く演奏に刺激を受け、何より身体に馴染んだ楽曲という理由からか、場内にはこれまで以上に興奮の嵐が吹き荒れていた。突き刺すように歌う咲人の歌声のなんと刺激的だったことか。
ブルーズなセッションからの幕開け。最後は、『惰性ブギー』だ。ヒステリカルに荒れ狂うロックロールなビートの上で、JAKIGAN MEISTERは最後のひと暴れに興じていった。


JAKIGAN MEISTERは、7月より全国ツアーをスタートさせる。彼らが各地でどんな興奮巻き起こすライヴを繰り広げてゆくのか。どんな楽曲が飛び出すのかも含め、ぜひ楽しみにしていて欲しい。もちろん、みんな足を運ぶよな!!!!

Text : 長澤智典 Photography : SHIN ISHIKAWA(Sketch)  


2017.6.29 JAKIGAN MEISTER (咲人) FIRST LIVE @ Zepp Diver City Tokyo
-SET LIST-

01.Enter the JAKIGAN
02.Don't Suck It Up
03.わるぁふぁ
04.嗜好品
05.なりたかったくなかった
06.ヰタ・セクスアリス
-SE-
07.a Relic
08.Mercy Killing
09.名状し難いほど有り余る邪気
10.Whatever I May Be
11.ワールズエンド
12.薩婆訶-そわか-
<ENCORE>
01.KENKA DRIVE
02.極上脳振煉獄・弐式
03.惰性ブギー


2017.06.14 Release
JAKIGAN MEISTER 1st ALBUM「Ejaculation」 Type:A 初回限定特殊パッケージ仕様
TRCL-0146/¥3,500(税別)
[CD]
1.Enter the JAKIGAN/2.Don't Suck It Up/3.ワールズエンド/4.ヰタ・セクスアリス/5.嗜好品/6.なりたかったくなかった/7.a Relic/8.Mercy Killing/9.名状し難いほど有り余る邪気/10.わるぁふぁ/11.Whatever I May Be/12.薩婆訶-そわか-
[DVD]
1.「ワールズエンド」Music Clip
JAKIGAN MEISTER 1st ALBUM「Ejaculation」 Type:B
TRCL-0147/¥3,200(税別)
[CD]
1.Enter the JAKIGAN/2.Don't Suck It Up/3.ワールズエンド/4.ヰタ・セクスアリス/5.嗜好品/6.なりたかったくなかった/7.a Relic/8.Mercy Killing/9.名状し難いほど有り余る邪気/10.わるぁふぁ/11.Whatever I May Be/12.薩婆訶-そわか-
※Type:Bの全曲終了後に、誤って「Korokke Soba」という曲が収録されております。
 アーティストのイメージを損なう恐れがありますので決して聴かれませんよう、お願い・お詫び申し上げます。

JAKIGAN MEISTER TOUR
[Ejaculation: Sequence]


7.28(金) 札幌cube garden
7.30(日) 仙台darwin
8.6(日) 柏PALOOZA
8.9(水) 福岡DRUM-Be1
8.10(木) 広島セカンド・クラッチ
8.13(日) HEAVEN'S ROCK 宇都宮VJ-2
8.17(木) 大阪BIG CAT
8.18(金) 名古屋ElectricLadyLand
8.20(日) 高崎FLEEZ
8.29(火) 東京ReNY

【Support Member】
Ba.:Ni~ya(NIGHTMARE)/Key.:Tooru Yoshida/Dr. HIRO(Rice)

【チケット】一般発売日:2017.7.1(土)
前売:スタンディング¥6,000(税込) ドリンク代別途
当日:スタンディング¥7,000(税込) ドリンク代別途


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咲人-Twitter-
NIGHTMARE Official Site


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