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2017.09.10 Ruiza solo works 2nd ONEMAN LIVE 「unknown territory」 @ 池袋EDGE |
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2017.11.28 |
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今年2月の1stワンマン『ONENESS』から7ヶ月、Dのギタリスト・Ruizaが展開するソロプロジェクト『Ruiza solo works』が2度目のワンマンライヴを開催!前回、サポートメンバーたちに「この空気感はRuizaさんだから許されます」と言わしめた独特のノリは今回も健在!ふんわりとしたゆるさとロックならではの激しさと熱さが同居する空間とは一体……!?言葉で表現するのはなかなか難しいステージだけれど、Ruizaが演出する“ONENESS
WORLD=唯一無二の世界”が少しでも伝わればと願う。 |
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「イケるか、EDGE!!始めようか!」
黒幕の向こうから叫んだRuizaのこの一言で、Ruiza solo works、2度目のワンマンライヴの幕が切って落とされた。
1曲目の『Another』を聴いていて感じたのは、抜群の安定感。ワンマンは2度目だが、Ruizaとサポートメンバー(ギター/刻、ベース/Natsuki、ドラム/奏)のグルーヴ感は文句なし。そして、2月の1stワンマンでも感じたことだが、曲を聴いていて映像が目に浮かぶ感覚が彼らの演奏にはやっぱりある。たとえば、『Another』から『serendipity』へと移る間は、深い水の底にいるような気分に……。ライヴならではのRuizaと刻のギターの掛け合いを挟み、ドラマティックな展開で3曲目の『sphere』へ。サポートメンバーの紹介を交えながら曲が進み、前半の3曲が終了したところでRuizaがマイクを取った。
「今回は音源を出してのライヴではなく、“なんでこのタイミングでライヴ?”と思われるかもしれないけど、1stワンマンをやってから半年以上経ったかな?Dのツアーで全国を廻りながら、“今また(Ruiza
solo worksの)ワンマンをやったらどんな感じでライヴをやれるのかな”と思ったんです。でも、(ソロに関しては)“こうしたい”“絶対こうじゃなくちゃいけない”っていう考えはないんですよ。これからみんなで色をつけていけたらいいなと思ってます。普段みんながどんなライヴを見ているかわからないですけど、なかなかないライヴになると思います」
1stワンマンの時、「ライヴの雰囲気、ふわっとしてると思うんですけど、それを含めて俺です(笑)」とRuiza本人も言っていたし、Natsukiも「この空気感でワンマンができるRuizaさんはスゴイです。Ruizaさんの人柄が出ていてすごくいいと思う」と話していた。今回も序盤から、まったく飾らない雰囲気が会場を包む。
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メンバーも観客も硬くなりがちな序盤の空気感を緩めたところで、続く『ONE』で展開するコールアンドレスポンスの説明を。前回のワンマンに参加した人にはすでにおなじみ、Ruizaが弾くフレーズを合唱して一体感を得るという試みだ。Ruizaのモットーと言える“ライヴを楽しむ”を体で感じることができるこの曲では、奏もドラムを叩きながらオーディエンスと一緒に声を出し、Ruiza・刻・Natsukiのフロント3人は元気にジャンプ!満面の笑顔でギターを弾くRuizaの表情が印象的だ。
フロント3人が奏のドラムセットの前に集まり、演奏が始まるとともにパッと散るといった躍動的な動きを見せた『by degress』は、バスドラの連打によるボトムの重さが刺激的。王道のハードロックサウンドで熱気を作ったと思ったら、続く『crepuscular
rays』『Amethyst』の流れでその熱量を少し落とす。光をいっぱいに浴びているようなサウンドを聴かせる『crepuscular rays』とテンポはゆっくりしているけれど音に力強さがある『Amethyst』を聴いていて、人の声では表現できない物語を音が紡いでいる……というような想いが頭の中を駆け巡った。
「前半戦が終了しましたが、すごく気持ち良く演奏できています。こういう、インストゥルメンタルのライヴはどうですか?」
7曲の演奏を終え、Ruizaが客席に語りかける。
「後半戦はみんなとワーッとやりたいので、導きますよ!ついて来てください。今日、来てくれた人全員が笑顔になってくれたらうれしいなと思ってます!前半戦、すごくいい感じじゃないかと思うので、後半戦もよろしくお願いします。次は『faith』という曲をやろうと思います。自分のソロはライヴの本数は多くはなくても、やっていくと自分のモノ、Ruiza
solo worksの世界観になってくると思っていて。『faith』もね、やればやるほど形になってきて、ライヴ感のある曲になってきたのかなと思うんですよ。みなさん、ぜひ暴れてくれたらうれしいです」
疾走感あふれる『faith』では、高低差の激しいサウンドに揺さぶられ、サビに入ると大きく手を広げてフリをするオーディエンスで会場が華やかに。このままトバしていくか……と思いきや、次に演奏されたのはスローナンバー『Deep
blue』。Ruizaらしい自由なセットリストは、演奏陣の柔軟性の高さを見せつけるにはうってつけだ。この曲のあと、Ruizaはある提案を客席に投げかけた。
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「静かな曲で落ち着いてしまったかもしれないですけど、ここからみなさんにやってもらいたいことがあります。声を出してもらいたいんです。(もう一回)コールアンドアンドレスポンスをやりたいなと思って、とある曲を改造してきました。その曲とは『Distortion』。ディストーションって、エフェクターの名前なんですけど、歪んだ音が出るんですよ。これは“まさにライヴ!”という音なので、そんな雰囲気をみんなと一緒に作りたいと思ってライヴならではのセクションを考えてきました」
3rd CD『ONE』に収録されている『Distortion』は、1stワンマンのアンコールを盛り上げた曲。曲に入る前に『ONE』と同じく練習の時間を設けていたが、そこで見せたちょっとした仕草にファンが「かわいい!」と反応すると、「全っ然かわいくないですよ!今は真剣なので、“カッコイイ”です(笑)!」と反論してみたりと、曲に入るまではあくまで自由なRuiza。でも、一旦曲に入ると、当たり前だがギタリストスイッチがONになり、有無を言わせぬ圧倒的な演奏で会場を席巻する。声を出しての掛け合いの最中も「もっとぶつかって来い!」とオーディエンスを煽りまくり、相当な盛り上がりを見せたあと、Ruizaは満足気にこう話した。
「素敵な景色をありがとうございます!やって良かった(笑)。楽しかった?やっぱりライヴっていいよね。何百回もライヴをやってきて思うのが、みんなの活力になれればいいなって。僕が高校生の時も、ライヴを観に行くとすごくドキドキしたんです。独特の空気感というか……わかるかな、難波ロケッツの感じ(笑)。ドキドキもそうだし、ちょっと未知な雰囲気やスリリングな感じとか、そういう独特な空気を僕も作れたらいいなと思ってます。今日も、“こんなライヴにしたい”“あんなライヴにしたい”と考えながら挑んでますが、サポートメンバーが協力してくれて、素敵な時間が作れています。メンバーは、“こうしたほうがよくないですか?”“(曲を)こうシメましょう”とか、アイディアも出してくれるんですよ。それがすごくバンドっぽくていいなと思います」
ライヴはアーティストだけのものではなく、ファンと一緒に作り上げていくもの。誰のどんなライヴにもそういう要素はあると思うが、Ruizaのライヴでは、本人がそれを望んでいるからこそファンとの密度が濃く、客席との空気感がライヴの雰囲気を左右する。「みんなで楽しみたいから」とコールアンドレスポンスを提案したり、『Distortion』の次に演奏した『Round&Round』でのタオル振りなどはお客さんたちの意思というよりRuizaが「やって!」と半ば強制のような形で展開していくが、普段は気後れしてしまってライヴに積極的に参加できないファンも自然と手を上げたり声を上げたりできる雰囲気がある。それは、Ruizaの人懐こいキャラクターあってこそ。Ruizaの“楽しませたい”というピュアな想いが会場中のお客さんたちに伝わるからこそ、笑顔の輪が広がっていく。
場内のファン、ほぼ全員がジャンプしながらタオルを回し、大盛り上がりを見せた『Round&Round』を終え、気づけば残り2曲という時間に。
「めちゃくちゃ楽しいです。いいですね、ライヴって。みんなとひとつの空間が作れてうれしいです。この先のスケジュールはまだ決まってないですが、まあ、またやるでしょう!(笑)やるよ、楽しいもん。もっともっと、みんなと一緒に空気や熱を作って共有していきたいので、これからもよろしくお願いします!」
そして、Ruizaがヴォーカルをとる『Resonance』で、最後のパワーが炸裂! 疾走感が爆発するサウンド、歪むギター、体を動かしまくるオーディエンス。これぞロック!という熱い空気の中、刻とNatsukiがドヤ顔でセンターに躍り出たと思えば、奏は爆笑しながらドラムを叩いていたりと、ステージをめいっぱい楽しんでいるメンバーの姿が目に入る。続く『amenity
gain』では、重要感あるサウンドがラストにふさわしい一体感を巻き起こし、本編は終了。Ruizaは「ありがとうございました!」と、ピカピカの笑顔でステージを後にした。
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アンコールでは、タンクトップ姿で登場したRuizaが改めて今日の心強い仲間たちを紹介。ここではなんと、サプライズ3連発という、Ruizaならではの遊び心が爆発!
「明日はNatsukiくんの誕生日なんです。なので、Ruiza solo worksからケーキを用意しました!前回(僕の誕生日祝いを)やっていただいたので、今日は絶対やったると思いました。(次に刻を紹介をして→)そんな刻くんのもうすぐ誕生日なんですよ。(“まだ1ヶ月先だよ”という刻の言葉には耳を貸さず→)そんなの知ってますけど、世界最速で祝いたい!ケーキ持って来て!(続いて奏は、“自分の誕生日はもう過ぎたので、絶対にケーキは出てきません”と宣言したにも関わらず→)そんなかなでぃーですけど、なんでもない日をお祝いしようと思って、シュークリームを用意しました!全員祝ったった!自分が祝ってもらったから、どうしても全員祝いたかったんです。誰にも言ってなかったんで、ドッキリ大成功ですね!」
この自由さはほかのライヴではなかなか見られない光景かもしれないが(笑)、お客さんはもちろん、一緒にこの場を作り上げてくれるメンバーも、全員を楽しませたい!というRuizaの信念あってこそ。それは、当たり前だが音楽にもいえることで、みんなをどう盛り上げるかを最重要事項として考えた上で楽曲作りやセットリストの構成に取り組んでいる。
アンコールでは、「作って良かったなと思う曲を演奏させてもらいたいと思います」と言って演奏した『Nemesis』、今日2度目の演奏となる『ONE』を披露。『ONE』では、「飛べー!」とオーディエンスを煽ったRuiza自身もメンバーと一緒にジャンプ!ラストに大ジャンプを決め、大盛り上がりのアンコールは終了。……と思いきや、止まないアンコールの声に導かれてRuizaが再びステージに現れ、「まだ暴れ足りない?もう1曲いきますか」と、この日のためにアレンジした『Distortion』を再びドロップ。一度合わせたコールアンドレスポンスは、本編以上にステージと客席の息がピッタリ。会場を見渡すと、最後列のお客さんまで飛び跳ねていて、誰一人欠けることなくまさに“全員参加型”のライヴになっていることを実感。
Ruizaの理想に近づいた形で、すべての楽曲演奏が終了。
とはいえ……。手応えを感じたからといって、そこで満足するRuizaではないから、次はまた、さらに貪欲に“みんなを楽しませる”計画を練ってくるはず。まだ、Ruiza
solo worksの世界を体感していない人は、次のチャンスを逃さないよう!激しくもゆるく、おもしろカッコイイ空気感は、身を投じて体感してこそ「ああ、こんな世界もあったんだ!」と開眼するはずだから。
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Text : 須田真希子 Photography : TAKUYA ORITA |
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2017.09.10 Ruiza solo works 2nd ONEMAN LIVE 「unknown territory」 @ 池袋EDGE
-SET LIST-
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01. Another
02. serendipity
03. sphere
04. ONE
05. by degrees
06. crepuscular rays
07. Amethyst
08. faith
09. Deep blue
10. Distortion
11. Round&Round
12. Resonance
13. amenity gain |
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<ENCORE>
01. Nemesis
02. ONE
03. Distortion |
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>>Ruiza solo page |